専門教育科目ピックアップ

 

カルチュラル・スタディーズ(文化研究)

担当:樫村愛子

自文化を客観視し、異文化を認める力量を。

「女らしさ」と「女子力」。二つの言葉の違いは何でしょうか。「女らしさ」は女性が一人で自室にいるときも持続する印象がありますが、「女子力」は自室に戻れば脱ぎ捨てることもできそうです。さらに後者は、男性への褒め言葉としても使います。気配りができてファッションにも敏感な“女子力の高い男子”が、あなたの身近にもいるでしょう。「女らしさ」に対し、「女子力」は容易に着脱可能な、構築性の高い(新造の)文化的概念といえそうです。この授業では、さまざまな事例を通して、現代社会における文化のあり方を考え、文化の本質を読み取る能力を身につけます。先の例のように、皆さんが何気なく使う言葉や身近な事象を取り上げて議論することにより、ふだんは意識することのない文化と自覚的に向き合います。自分が属する文化を客観視でき、他の文化を認められる力をつけてほしいと考えています。


家族社会学

担当:土屋葉

社会通念を相対化するところから、新たな「家族」のあり方を探る。

親しげにポーズをとる人びとが写る複数の写真をみせ、学生たちにどのような関係に見えるか聞いたことがあります。まず30代の男女と子どもたち。これにはまちがいなく「家族」という答えが返ってきます。2枚目は女性1人と子どもたち。これは「家族」ではなく「親子」。3枚目は30代の男性2人と子どもたち。これには「親戚」「同僚とその子どもたち」などばらばらな答えが返ってきます。でも、これらはどれも現実の「家族」の姿なのです。最近ではひとり親世帯は珍しくありませんし、少数ですが子供がいる同性愛カップルもいる。にもかかわらず、私たちは「家族」に決まったイメージを抱き、社会も同様にある特定の「家族」を前提としてしまっています。その結果、そこからはずれる家族を社会から除外してしまうことにもなる。「愛ある家族」という規範だけでは、育児放棄や虐待なども、特殊な事例という結論しか導きだせません。「家族」が自明のものでなくなりつつある今、ありのままの「家族」の姿をもう一度とらえ返す必要がありそうです。この授業では、そんな家族の意味を問い直し、新しい家族のあり方を考えます。

都市社会論

担当:植田剛史

“都市”を切り口にして社会を理解する。

「社会が悪い」とか「社会の一員として」などと私たちは言いますが、あらためて「社会とはなんですか?」と問われたら、スッキリと答えられる人は少ないはずです。空気のように私たちを取り巻いていてつかみ所のない “社会” という存在を、化学的・論理的に捉えてみようというのが「社会学」という学問です。中でも、社会の動きが最も先鋭的に表れるのが都市という空間ですから、この授業では、 “都市” を切り口にして “社会” を捉え、その理解をめざします。学生たちには、都市でいま何が起きているかを常に意識して見るように伝えています。密集したビル群の中になぜかポカンとできた空き地、街の掲示板に書かれている情報、電車の乗客の話し声ーそれら一つひとつにその都市の成り立ちの秘密が隠されています。小さな動きを敏感に捉え、それを手がかりにして、都市の内部・外部に働いている力に迫ってほしいと考えています。

コミュニケーション論

担当:湯川やよい

ジェンダーで読む対人コミュニケーション。

私たちが日常生活で「コミュニケーション」について考えるのは、なにかが「うまくいっている」ときよりも「うまくいっていないとき」、とりわけ友人、恋人、家族、アルバイト先の同僚など身近な人間関係において何らかの問題に直面したとき、ではないでしょうか。
「コミュニケーション」はとても広い研究領域で様々な切り口がありますが、この授業では、特に「ジェンダー」の視点を用いて日常のコミュニケーション(対人コミュニケーション)を考え、そこで生じる違和感や問題を読み解いていきたいと思います。ジェンダーは私たちの日常のなかのさまざまな事柄を分類する「見えない力」であると同時に、私たち自身がその「見えない力」を使いながらさまざまな分類を行っています。学校、家庭など身近な場面でどのように「ジェンダー=分類する力」が働くのかを考えていきましょう。